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外来魚駆除釣り大会in淀川  (2006年4月9日、於:城北公園北・淀川河川敷)
-淀川及び、淀川ワンド群の外来生物について-

「外来魚駆除釣り大会」受付の様子

「外来魚駆除釣り大会」受付の様子。
大会参加者の受付、釣竿・餌の貸し出しとともに、外来魚がなぜ問題なのかについての資料等を配布し、通りがかりの人々へも問題啓発を行っていた。




河川敷(ワンド)のあちこちで駆除釣りを行っている参加者たち

河川敷(ワンド)のあちこちで駆除釣りを行っている参加者たち。
淀川で初めて行われた駆除大会にもかかわらず、多くの参加者が集まった。大会開始の午前10時頃で約20名、11時半頃には、60名を超えた。受付の参加名簿によると、最終の参加人数は106名。
淀川の河川敷ならば、どこで釣っても自由なので、みな思い思いの場所に陣取って釣っている。




簡単に釣れてしまう『ブルーギル』

簡単に釣れてしまう『ブルーギル』。
『ブルーギル』は、写真のように小さな子供でも簡単に釣ることができる。右は、始めた早々に釣れたので、びっくりしているお父さん。




釣り上げた直後の『ブルーギル』

釣り上げた直後の『ブルーギル』。
『外来魚以外の魚を釣ってしまったらかわいそうだな』、と心配する必要がほとんどないほどに、『ブルーギル』ばかりが釣り上がる。
初参加者の多くは、釣り始めのうちは『ブルーギル』が釣れることに喜んでいるが、あまりに他の魚が釣れないことに、驚きと生息環境の変化の大きさを実感していた。




参加者が釣り上げた外来魚を集めたバケツ

参加者が釣り上げた外来魚(ほとんどがブルーギル)を集めたバケツ。
琵琶湖での駆除大会では、毎回100kg〜150kgほどの外来魚が釣れる。多い時には、200kgを超えるとか。
集められた外来魚は、大会に協力している専門業者「全大阪魚蛋白事業共同組合」が処分してくれた。




<外来生物法>
外来生物による被害を防ぐために、生態系などに被害をおよぼす外来生物を「特定外来生物」にに指定し、飼うことや育てること・運ぶこと・売ること・野外に放つことや植えること・もらったりあげたりすること・輸入することを、禁止しています。

(淀川に生息している「特定外来生物」は、動物では、『オオクチバス』『ブルーギル』『ウシガエル』、植物では、『ボタンウキクサ』『ナガエツルノゲイトウ』『ミズヒマワリ』などがあげられます)

 
急速に変わってしまった
淀川の生態系

約30年前には、淀川の河川敷には、「タマリ」や「ワンド」と呼ばれる流れの緩やかな水域がたくさんありました。古来より舟運の航路確保などのため築かれた「水制」がもととなって、そのような水域が成立していたのです。それは、他の河川にはない独自の環境を生み、有名な『イタセンパラ』をはじめ、豊富な魚類が育つ環境を育んでいました。

ところが近年、淀川の河川環境は、大きく様変わりをしてしまいました。特に、もともとこの水域に生息していなかった外来生物の急速な繁殖・繁茂が大きな問題になっています。

外来生物が与える悪い影響には、(1)在来生物を食べる、(2)新たな病気を持ち込む、(3)在来生物の生息環境を変化させる、(4)在来生物と雑種をつくる、などが主なものとしてあげられます。

(1)で有名なのは、外来魚の『オオクチバス』や『ブル−ギル』です。『イタセンパラ』などの小型の魚類や昆虫、エビなど多くの在来動物がこのために減少しています。

(2)の例では、外来貝の『カワヒバリガイ』があげられます。この貝が日本にいなかった寄生虫を運んできたことにより、コイ科の魚がその寄生虫に感染するケースが出ています。

(3)では、外来植物の『ボタンウキクサ(別名:ウォーターレタス)』が繁茂した場合がその例です。このウキクサが水面いっぱいに広がると、水中に光が届かなくなったり、枯れて腐ると水中の酸素が減少するため、生き物が住めなくなります。

(4)で顕著な例は、魚のタナゴ類です。『タイリクバラタナゴ』は、もともといた『ニッポンバラタナゴ』との間に子供をつくるため、雑種が増えて、『ニッポンバラタナゴ』が見られなくなりました。

淀川では、上にあげた外来生物の他にも、様々な外来生物が生息し、在来生物に影響を与えています。

「タマリ」や「ワンド」は、在来生物にとって貴重な水域です。特に春先は、「ワンド」の浅瀬で魚たちが産卵を行います。この取材時にも、葦が繁る浅瀬で、コイたちが産卵のためにやってきて、盛んに飛び跳ねる姿がみられました。ところが、卵からかえった稚魚を『オオクチバス』や『ブル−ギル』がどんどん食べてしまうため、在来魚は減る一方の状況です。

淀川、特に下流のワンド群では外来魚の増加が著しく、それに反して在来魚たちは次々と姿を消しています(特に2004年あたりから急激に)。淀川ワンドでは、毎年観察会が開かれていますが、2005年の観察会では、ついに在来魚が全く確認できなかったという事例もあるほどです。2004年時点ですでに魚類の約4割が外来種であったので、2005年はさらにその割合が大きくなっていると考えられます。

今回の「外来魚駆除釣り大会in淀川」は、普段は滋賀県の琵琶湖で外来魚駆除の活動をしている市民団体『琵琶湖を戻す会』の主催で行われました。『琵琶湖を戻す会』は、定期的に琵琶湖の湖岸で外来魚駆除のための釣り大会を実施するなど、普段より外来魚問題の啓発活動を行っている団体です。

琵琶湖の「外来魚問題」は、広く知られるようになってきましたが、淀川の「外来魚問題」は、上にあげた現状にも関わらず、一向に表面化されず、外来魚を駆除する動きもみられない状況です。そこで、『琵琶湖を戻す会』では、『大阪の人々にも外来魚問題が足元の淀川でも深刻な影響を受けていることを知ってもらうため、実際に淀川で釣りをすることで、その現実を実感してもらおう』と考え、今回の「外来魚駆除釣り大会」を開催したのです。

当日は、駆除釣り大会に初参加という方が多く、特に親子で参加している方がたくさん見受けられました。希望者には、釣り竿の無料レンタル、仕掛けや餌の無料提供もありましたので、通りがかりに知って参加した方もおられました。

確かに、釣れる魚は外来魚の『ブルーギル』ばかりです。場所や時間によっては入れ食い状態で釣り上がるほど…。産卵の時期のため、ワンドに様々な魚が集まってきたせいか、ごくまれに在来魚を釣った方もいたようですが、ほとんどの方の釣果は外来魚の『ブルーギル』のみです。

4〜5年前までは、『モロコ』『タナゴ』など小型の在来魚があたりまえのように釣れていたワンドでしたが、今では逆に釣れることが大変珍しいこととなっています。こんなにも変わってしまったこと、またそれも急速に変わってしまったことに、びっくりするばかりです。


<取材協力・資料提供>
琵琶湖を戻す会
高田 昌彦 代表 と、同会の皆様

「琵琶湖を戻す会」ホームページ


<種の保存法>
わが国に生息する絶滅のおそれの極めて高い種を「国内希少野生動植物種」に定めて、以下のような規制を行っています。違反者には罰則も定められています。
生きている個体の捕獲・殺傷などの禁止、生きている個体・死体・はく製・標本などの譲り渡し・譲り受けなどの禁止、販売などを目的とした陳列の禁止
※学術目的の場合であっても、環境省への許可申請が必要です。

(淀川に生息している『イタセンパラ』は、「国の天然記念物」とともに「国内希少野生動植物」に指定されています)

 
朝鮮半島原産の外来魚『カムルチー』
 
 
朝鮮半島原産の外来魚『カムルチー』。
外来魚としては、『ブルーギル』や『オオクチバス』が有名だが、他にも様々な外来魚が淀川に住み着いている。
『カムルチー』はタイワンドジョウの一種で、近年大増加している『ブルーギル』や『オオクチバス』よりもずっと以前から淀川にいるらしい。

 




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