
| トップページ | スポット一覧 | 人物紹介 | お店紹介 | 読者参加 | サイトマップ |
| 深泥池生物群集の環境保護 (京都大学防災研究所 竹門助教授、深泥池を守る会 田末幹事のお話より) |
上は、深泥池生物分布の特徴(2003年6月当時)。
(1)上は、外来魚(オオクチバスやブルーギル)が増加する前の生物分布の様子 (2)ヒシが増加して池全面を覆うようになる(1990年ごろ)。 (3)ヒシの除去(1996〜97年)を進めると、ますます植物プランクトンが増加して池の透明度が下がっていった(2000年には、透明度5cmを切った)。
(4)上は、2003年、外来魚駆除開始後5年目の生物分布の様子。
(5)上は、2004〜2005年の生物分布の様子。 | 生態系のバランスを取るむずかしさ 一口に環境保護・水質保全といっても、その場所のおかれている条件によってとる対策方法は変わってきます。深泥池の場合は、貧栄養(窒素・燐酸・カリウムが少ない)の池として大昔から存在していたようです。花粉分析の調査によると、少なくとも昭和時代が始まる前までの1,200年間は池の周辺はアカマツの林だったようです。アカマツは土地の栄養価が低いところに生える植物です。これは生活に必要となる木を人々が伐採し続けていたため、土地の栄養価が下がり、松しか生えない土地が続いていたのです。 ところが、ここ70年程の間で池の周辺の植生は全く変わってしまいました。木々を伐採しなくなったため、照葉樹中心の森に変化するとともに、土壌の栄養分も増えてしまいました。このことで周辺の土地だけでなく、池自体が貧栄養の水質から、富栄養の水質へと変化をしているようです。 古来よりこの池に産していたジュンサイは、貧栄養の水質を好みます。池の水質が富栄養化することによりジュンサイも減少を続けていきました。水質が富栄養化することは、池の生態バランスに大きな影響を及ぼします。 富栄養化することにより、植物プランクトンが増えていきます。深泥池の場合は、この植物プランクトンを餌とする動物プランクトンや小型の在来魚(モロコ・タナゴ・フナ類)が外来魚のブラックバス(オオクチバス)によって食べられ減少してしまいました。そのため、いっそう植物プランクトンが増え、池の透明度が低下したと考えられます。 ジュンサイなどの在来種が減ったもう一つの原因には、池の水面を覆うように増えるヒシの影響もありました。そのため、1996〜97年にかけてヒシの除去が行われたのですが、ますます植物プランクトンが増えて池の透明度は下がっていきました(1997〜2002年)。 このように、大きな変化を与えた動植物を減らすだけでは環境保全は出来ず、従来の生態系のバランスを取り戻すことは相当難しいものです。現在では、「深泥池水生生物研究会」を中心として 外来種(動物・植物とも)の駆除・除去だけでなく、定期的な池の環境調査によって生態変化に対する仮説をたて、少しずつもともと保っていた池の環境に戻す作業が続けられています。 特に、生物の生殖場所として大変重要な岸際の浅瀬の部分の保全作業は、外来魚の駆除とともに力を入れている部分だそうです。 2003年以降は、動物プランクトンが増えて池の水の透明度も高まっています。これにともないジュンサイの群落も増加しましたが、同時にオオカナダモも急激に増えてしまいその対策が課題となっています。 実は、深泥池の中で一番古くからの姿を残しているのは浮島です。浮島には水質を酸性に保つ働きがあり、その結果、池の他地域ほどは水質変化による影響を受けません(それでも絶滅危惧種が生き残れるかどうかなど深刻な問題があります)。この貴重な浮島及びその周辺の調査が、池全体の環境保全への取り組みにも大きく役立っているそうです。 今後は、池自体だけでなく周辺の森林も含めた環境改善の取り組みが進められます。氷河期以来の自然を残す「深泥池」。貴重な自然に触れられるすばらしい場所を愛でるとともに、後世に伝える努力を皆で続けていきましょう。
<取材協力・資料提供>
|
|
京都・大阪スポットガイド (C)Copyright 2006 Office Creates All Rights Reserved. |